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第61章 お花見
「ふぅん」

嬉しそうに羚汰が笑っている。

照れて顔をそらし、また家族連れを見ている稜に習って、羚汰もそちらに顔を向ける。

「俺、女のコがいいなー。稜に似た女のコ」



驚いて羚汰を見ると、羚汰も顔を向けてくる。

「でも、さっきの子たち可愛かったから、男のコもいいね〜。兄弟が欲しいし。賑やかなほーな楽しそうだし。3人ぐらい作っちゃう?」

「う、うん...」

真っ赤になって俯いてしまう。

「稜はどっちがいいの??女のコ?男のコ?」

そう言いながら顔に手が触れて、羚汰に向くように起こされる。

「...ん?真っ赤になってるけど。どしたの?」

「恥ずかしいよー」

抱き抱えられそうになって、思わず手をつっぱるようにして顔を背ける。
今まで、プロポーズめいた言葉を羚汰から聞いたことはあったが、家族計画みたいなのは初めて聞く。

あのプロポーズが本当なんだ、少なくとも今の羚汰の中では変わらずいてくれているんだ。
そう思うと嬉しくて、恥ずかしくて、顔から今にも火が出そうだ。

「なんで?フツーな質問じゃん。そんな赤くなって...何エロい事でも考えてた?」

耳元で囁かれて、また顔から湯気が出そうになる。

「違っ!」

慌てる稜に、羚汰が笑う。

「俺も子ども好きなんだよね。甥っ子も姪っ子も、めちゃ可愛いからさ。稜との子どもだったら、ちょー可愛いだろうなって」

そういえば、正月を実家で過ごした羚汰から、甥っ子や姪っ子たちと賑やかに遊んでいる写真が送られてきていたのを思い出す。

「姪っ子さんたち、可愛い?」

「うん。今小憎たらしい時期だけど、それ含めても可愛いね」

稜に写真送ったと思うけどー。と言いながら、羚汰がスマホを取り出して、たくさんの写真を見せてくれる。

幼稚園〜小学生高学年の男のコ5人ぐらいが、羚汰にまぶれて遊んでいる写真がたくさんだ。
なにかレンジャーごっこなのか、プロレスの技なのか、首に巻きついて後ろにぶら下がっている子もいれば、小脇に抱えられている子。逆さ吊りにされている子。くすぐりまくられて笑い転げている子。などなど。
少し乱暴な遊び方のように思うが、実に楽しそうだ。

「ヤツらチョーシにのって、本気で蹴ってくるから痛いんだよねー」

女のコは1人らしく。シラっと遠くから見ているらしい。

「その子、ねーちゃんにそっくりなの!」
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