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NEXT 【完結】
第61章 お花見
「あの熱帯魚の子?」

羚汰の寝室にあるのは、確かおねえさん家族のを預かっていると聞いた。

「そうそう。毎日のようにLINEで確認来るんだよね~。「リョウくん、熱帯魚のエサ忘れてないでしょうね?」「ちゃんと量を守ってくれてるのかしら?」って、口調がまんまねーちゃんなんだけど」

口調を真似ているのか、ぶつぶつ言いながらも楽しそうに笑っているから、喜んでやっているのだろう。

それであんなにそこだけ神経質に餌をあげたり、世話をしているんだ。

なんだか微笑ましい。

「赤ちゃんの時はちょーー可愛かったんだけどね~」

羚汰が高校生の時に、姪っ子ちゃんは生まれたらしく。
まだ予定日まで1週間ほどあった時に、実家に戻って来ていたお姉さんが産気づき。
家族は仕事に出かけていて、たまたま受験生で家にいた羚汰が、お姉さんをタクシーで病院まで連れて行って。
流石に立会いはしなかったらしいが、生まれるまで外でずっと待っていたらしい。

そんな話を楽しそうにする羚汰は、本当に姪っ子ちゃんが可愛いんだろう。

スマホの中に、赤ちゃんの頃の写真も数枚とってあって。
それも見せてもらう。

ぷっくぷくで落ちそうなぐらいのほっぺの赤ちゃんがいる。
さっき見せてもらった小学生の女の子の面影がある。

「かわいい~」

「でしょ~」

羚汰が得意げだ。

「そういえば、稜のとこも姪っ子が生まれるんじゃなかった?」

弟の空人(ひろと)の所にもうすぐ赤ちゃんが生まれる。
確か、予定日が4月の末か5月のはじめ頃だった気がする。
そう言われればもうすぐだ。

「うん。ちょっと遠いんだけどね。GWにでも会えたらいいな」

「可愛いよ~。姪っ子」

スマホの画面を見ながら、まだ羚汰がニヤニヤしている。

なんだかすごく意外だ。

ちびっこと遊ぶとは聞いていたが、ここまで子どもが好きだとは思わなかった。

「...何?」

じーーっと見ていると、その視線に気づいた羚汰が、こちらを向く。

「いや。本当に子どもが好きなんだなって」

「うん。俺さ。末っ子じゃん。しかも、兄ちゃん姉ちゃんと歳ががくんって離れてて。あの人たち、すげー真面目だし。こう、ばーって走り回ったりとかして育ててもらってないんだよね」
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