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第62章 花見という名の宴会
「そうだね。そろそろ行ったほうがいいか...って、車の鍵、家ん中だ。ごめん取ってくる」

そう言って、貴之が家に入るのと入れ替わりに千夏が出てきた。

千夏はかなり慌てた様子で、走ってきたのか息があがっている。

「へっ?稜?どしたの?」

どしたのはこっちの台詞だ。
ヘアクリップできりりとまとめていた髪が乱れているし、汗ばんで貼り付いている部分もある。

「ごめんね。千夏の姿が見えなくて、貴之さんに直接羚汰を駅まで送ってもらうのお願いしちゃった」

「え、あ、そうなんだ。一応、メールしといたし、大丈夫大丈夫」

稜が話しながらもジェスチャーで、髪が乱れているのを伝えると、大急ぎでまとめ直している。

「いや、洗濯物を2階に干しててさ、大急ぎで取り込んでてっ」

なんだか言い訳のように呟く。

「稜!羚汰くん、なんか帰るって行っちゃったけど、いいの?」

有希子がそう言いながら近づいてきた。

「えっ!?うそっ」

稜に言わなくていいのかと言ったら、時間が無いと呟いて。
どうやって帰るのかとも聞いたら、タクシー拾うと。

「この辺タクシー来ないよ?稜、その辺いるかもだから捕まえといて、すぐ貴之と車で行くから」

「わかった」



慌てて走って羚汰を探すと、路地から出てすこし広くなった道路をてくてく歩いている後ろ姿が遠くに見える。

「羚汰っ!」

声を掛けるが、聞こえないのか止まる様子はない。
携帯を鳴らそうかと思っても、慌てて出てきたので何も持っていない。
仕方が無いので、走って羚汰のそばに向かう。

「りょーたっ!!」

稜も久しぶりに走るので、息が上がって声が出ない。
やっと追いついて羚汰の肩をつかむ。

「羚汰...」

「うわっ、びっくりした」

やっと羚汰が振り返る。
稜は、走って息が上がって苦しくてその場にへたりこんでしまう。
お酒を飲んでいたのもあって、なんだかクラクラする。

「今、貴之さんが、車、出して、くれてる、から」

「いいよ。タクシー拾うし」

ゼイゼイと息が上がった稜を気遣ってくれるのかと思いきや、何故か顔を背けて拗ねたようにしている。

「ごめんね。遅くなっちゃったもんね」

「...違うし」

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