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第63章 お泊り会2
途端、静まり返っていた大人たちも褒めたりフザケたり、がやがやと盛り上がりだした。

「そうよなあ。相手が悪かった」
「いやぁ、久しぶりに観たけどいい試合だったなぁ」
「あそこまでエラーしたらかえってすっきりだよね」
「延長なっとっても、勝てるかわからんかったし」
「まぁまぁ、飲んで飲んで」
「貴之くんが坊主なの懐かしかったわぁ」

お酒を注がれたり、肩を叩かれたり、頭をガシガシ撫でられたり。よってたかって貴之がもみくちゃにされている。

当の貴之は、複雑な表情だ。

「貴之、ちょー可愛い!」

もう誰も見ていない画面を、千夏が見つめている。

相手校歌も終わり、両チームが甲子園を去る姿が、画面に映し出されている。
皆で盛り上がっていて、テレビの解説が聞こえないが、貴之たちの健闘でも称えているのだろう。
貴之も時折画面に映し出されている。

今に比べてぐっと若々しい貴之が涙をこらえる姿に、千夏の目がハートになっている。
その横で、稜は有希子と笑って顔を合わせる。

「はいはい。ごちそうさま」

「あの坊主頭、触りたい〜!」

「そこなの?」

確か、出会った頃は短めだった貴之の髪の毛を、長髪好きの千夏がお願いして今の髪型になったはずだ。

「坊主とかキョーミなかったけど、高校球児の坊主はいい!」

最近は坊主でない高校球児も多いが、貴之の学校はみんな見事な坊主頭だ。
古くからの学校なので、昔のしきたりの名残だろう。

「あーもう。もう勘弁だわー」

貴之がもみくちゃの輪から脱出して、隅っこの千夏や稜のテーブルにやってきた。

「お疲れさま。かっこよかったよ〜!」

「だからもういいし」

千夏が褒めると少し照れたようにして座って、話を変え始める。

「2人とも、飲んでる?食べ物もたくさんあるし、遠慮せず食べて飲んでな」

「いただいてますー」
「どれも美味しくて、お腹いっぱいのはずなのに止まらなくて」

次から次へとやってくるおつまみや料理は、本当にどれも美味しい。
お昼にあんなに食べたのに、新しい料理が来る度に美味しそうでつい箸を伸ばしてしまう。

テレビでは、甲子園のビデオを探していて見つけたからと、貴之の両親の結婚式のビデオが映し出されている。
初々しい2人と参列する若かりし自分達の姿に、親戚一同大爆笑だ。

稜たちもビデオの中の顔を居間に探しては笑ってしまう。
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