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第64章 異変
羚汰が書き込んだのは、少し前。
今頃はその花見に加わっている頃だろうか。

“はーい。楽しんで来てね!”

そう送ってみるも、既読にはならない。

花見といってももう夜中近い。
きっと花見という名目の飲み会なんだろう。

朝までって...。

今までそんな事なかったのに。

どんなに遅くなってもタクシーで帰ってきていた。


でも、稜も千夏の家に泊まったし。

同じような意味合いか。


昼間、稜が送った沢山の内容には触れていなかった。

“これから千夏の家を出る”とか“飲みすぎ食べすぎで、胃が重い”とか、はっきりいってどーでもいい内容だから仕方ない。



お風呂入ろ。

明日は月曜日。

羚汰のバイト先、ラコルテの定休日。
2人で一緒に晩御飯が食べられる数少ない日だ。

夕食後は一緒にお風呂に入って、早めにベッドに入りいつもより濃厚にそしてゆっくりと肌を重ねる。

早く明日になって欲しいー。

羚汰に会いたい。



翌日、昨晩用意したお弁当を作り終える。

羚汰、朝帰ると言っていたが、まだ帰って来ない。

メモと一緒に羚汰の分をカウンターに置いて会社に向かった。


ランチタイムにスマホを覗くと、羚汰からLINEが入っていて。


“今日はラコルテの花見”

“そのままダイキのところに泊まる”


...え?


今日も帰って来ない??


ダイキって、あの人だよね。

ラコルテのちょっとクールなカンジの。


花見シーズンだし。

花見自体に行くのは、理解できる。

でも、2日連続での外泊。

偶然???



“そうなんだ。残念。
今日は一緒にご飯食べられると思ったんだけどな”

考えて、あまり重くならないように。

でも、少し気にしてるってのがわかって欲しくて。

そんな風に送ってみた。


少し待ってみるけど返事はない。

ランチタイム中には、返事は帰ってこなかった。

悶々として仕事をしてしまう。


でも、ラコルテは月曜日にしか定休日はない。

皆で花見をしようと思ったら、その日しか無いわけで。

そうだよね。たまには皆とじっくり飲みたいよね。

稜と付き合う前はラコルテのメンバーと連日のように夜遊びをしてた、と言っていたし。

なんとか自分を納得させる。


それでも、羚汰が出張に出掛けてたときより寂しいのはなんでだろう。
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