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第64章 異変
春先の月曜日は、稜の仕事もそこそこ忙しい。

羚汰が帰って来ないならと、いつもは早めに切り上げる仕事を遅くまで残ってやることにした。

マンションの部屋に着くと、やはり羚汰は帰ってなくて、静まり返った部屋が稜を迎える。

とりあえず晩御飯を食べてー、明日の弁当の用意を。

ふとカウンターを見ると、羚汰の為に作った弁当がそのまま残っていた。

持ち上げてみると、重い。
稜が書いておいたメモも上に乗ったままだ。

帰ってこなかった???

なんだか胸がちくりとする。

気づかなかったのかもしれない。
カウンターじゃなくて、テーブルに置いておけばよかった。

春先で日中暖かいので、カウンターに置いたままだったお弁当は当然のことながら臭う気がした。
勿体ないけど、仕方ない。
丸ごと、生ゴミになってしまう。

明日は、食べてくれるよね?

気を取り直して、お弁当と晩御飯を作る。




翌日は、羚汰のお弁当をわかりやすいように、テーブルに置き。

LINEでもその事を伝える内容を送っておいた。

今日は、帰ってくるよね。



羚汰がいつもの時間より少しだけ早く帰ってきた。

ちょうど稜がお風呂から上がって、風呂の前でパジャマを着たところだった。

風呂は玄関先にあるので、鍵を開けて入ってきた羚汰と鉢合わせだ。

「おかえり!!」

久しぶりの羚汰に心が踊る。

「...ただいま」

飛びつきたい気持ちが、羚汰の声を聞いてとどまる。

少し低くなってかれているようだ。

「羚汰?」

「うん...」

返事をしながらも、横に向いて咳をしている。

「大丈夫?風邪?」

「...かな」

少し息も荒い。
靴を脱ぐ動作も、ゆっくりで気だるそうだ。

「大丈夫?」

「今のところ、咳が出るだけだから」

「...そう」

ゆっくりと歩いてリビングに向かっている。

いつものハグやキスが無くて、稜はがっかりしてしまうが、羚汰の様子を見て慌ててその気持ちを打ち消す。

ソファに体を投げ出すように座った羚汰が、めんどくさそうにマフラーやブルゾンを脱いでゆく。
少し暖かくなってきたとはいえ、まだ朝や夜は冷えるので、まだブルゾンは手放せない。

「何か飲む?」

「んー、大丈夫。お茶あるから」

カバンからペットボトルを出してテーブルに置いた。
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