この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第64章 異変
ぼんやり布団でいつもの起きる時間まで過ごし、着替えてからそっとリビングに顔を出す。

まだ羚汰はあのまま眠っている。

羚汰は今日は大学何時からなんだろう。
もし時間があるなら、少しでもベッドで眠った方が断然いい。

意を決して起こすことにする。

「...羚汰。羚汰」

ゆっくり揺するがなかなか起きないので、次第に揺れが大きくなる。

「んー」

「ベッドで寝て?風邪悪くなっちゃう」

「...あー。もう朝か」

しんどそうに起き上がる。
自分がソファに寝ていることを、起きてから思い出しているようだ。
頭がまだはっきり働いていないのかもしれない。

「今日は大学は?」

「うー、今日は昼から。...それまで寝とこーかな」

「薬は?」

「あー、薬とかないな。でも大丈夫。レポートが時間がかかっただけで、風邪はそこまでじゃない」

そう言いながら、咳をしながらすごすご寝室に向かっている。

そんな羚汰が心配でその後について歩く。

「ほんと?よかったら私薬持ってるから、取ってくるよ」

稜の部屋に、薬箱と呼べるような自分で作ったBOXがある。
風邪薬の他に胃腸薬や頭痛薬、絆創膏などが入っていて。
普段滅多なことでは使わないのだが、あの箱があるというだけで安心する。

「いいよ。大丈夫だから。稜、会社でしょ」

会社のことを心配してというより、突き放されたような言い方で、稜の心がまたちくりと痛む。

風邪のせいではなくて、やっぱり羚汰の様子がおかしい気がする。

布団をかぶって背を向ける羚汰に、なんとか声を掛ける。

「お腹は?空いてない?」

「空いてない。...昼の弁当もいいから」

...やっぱり。何か拒絶されている気がする。

風邪を引いてるから??

それだけでない気がしてならない。

「...そう」

それ以上、言葉が出てこない。

稜はそっと寝室を後にした。


しんどいからだよね??

風邪が回復したら、いつもの羚汰に戻っているんだよね??

羚汰の言う通り、会社に行かないと。

音をなるべく立てないようにして、朝食を食べ、自分の分だけ弁当を作り、用意をして会社に向かった。



仕事を終えマンションに戻ると、羚汰の姿はない。

起きて大学に行ったようだ。

キッチンに行くとバナナやパンを食べた後があって、少しだけ安心する。
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ