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第67章 予定
乗り継ぎの安いのを探せば半額近くまで落とせるかもしれない。
言葉に不自由のない羚汰はその方法で行くらしい。
だけど、言葉が全くと言っていいほど出来ない稜が1人で追いかけるのなら、直行便でないと難しいだろう。

その他にも、マンションから空港までの交通費や、イタリア国内での移動や、宿泊費。
どう考えても、最低20万は必要だ。

なんとかなる...かな。

稜は、コツコツと貯金をするタイプで。
薄給な上に一人暮らしをしているので大した金額ではないが、地味に貯めている。
ある程度貯まったら定期に入れているのだが、そのぐらいなら定期を崩さなくてもいける気がする。

「全額は無理だけど、半分ぐらいなら俺...」

「それは、大丈夫!」

学生の羚汰に頼るわけにはいかない。

「そ?ならいんだけど」

これから数ヶ月、節約していけばー。
そうなると、やっぱり稜の部屋は解約した方がいい。
カラ家賃を払うのが馬鹿らしい。

両親に、羚汰のことと。引越しのことと言っておいたほうがいいだろう。
いつどのタイミングにするか悩むところだ。

ふと羚汰の視線を感じて、振り返る。
かなり長い時間、そうしていたようだ。

「...で。...行く??イタリア」

不安そうにこちらを伺っている羚汰が愛おしくてたまらない。

「うん。行きたい!」

途端に大きなため息とともにぎゅううっと抱きしめられる。

喜んで満面の笑みなのかと思いきや、安堵の様子だ。

「よかった...」

「羚汰、苦しいよ?」

「あ、ごめん」

大げさなぐらいほっとしている羚汰が、本当に可愛い。

「だって...。稜が行かないって言ったら俺、イタリア行くの短くしなきゃと思ってて。それにー」

大きく体をひねって、羚汰の顔にかかった前髪を触る。

「それに?」

「行くまでまだあるから、それまで説得し続けようって思ってた」

真顔でそんなことを言うのがおかしくて、少し笑ってしまう。

「えっ、なんで笑うかな」

「ごめんごめん。そんな訳ないよ。羚汰がそこまで惚れ込んでるイタリア、見てたみたいもん」

「稜...」

羚汰の顔が近づいてきて、唇が軽く音を立てて優しく触れ、それからまた抱きしめる。
稜も腕を回して抱きついた。

「ありがと」

「うふふ。こちらこそ、ありがとう!楽しみにしてるね」

「うん!楽しみにしといて!」
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