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NEXT 【完結】
第9章 協力
自分の認識不足にも腹が立つ。

そりゃ、リョウもキレたくもなるよね。
自分で激しい騒音を出しといて、「なんでイヤガラセされるの!?」とか言ってたら。
キレる前は、困った顔をしてた。なんて言い出すか戸惑ってもいた。

それを急かしてムリヤリ言わせたのは稜だ。

タバコのイヤガラセのことも、言われないと意味に気付かなかったし。
やっぱり謝るだけ、謝ろうかな。

そう決心した時、丁度7階に着いた。

階段からあがった先にエレベーターがある。
その前を通りがかったとき、リョウが降りてきた。

「あ、高崎サン!!」

稜はまた叱られると思い少しビクッとする。

朝、キレてたとは思えないほどの笑顔だった。

「なんでまた、階段から?7階までとかチャレンジャーだね」

「ちょっとね。下の階の人に...」

そこまで言っただけで、スグわかったようだった。

「お詫びのお手紙?」

「うん。一緒にタバコを買ってドアに...」

「タバコ!?」

何やらリョウが少し驚いている。

「うん。会社の人にきいたら、甘いものとかがいいとは言われたんだけど。下の階の人、甘いものはどうかわからなかったから、タバコを」

朝、たくさん片付けたので銘柄はわかった。ヘビースモーカーだということも。

ブッ。

顔をあげると、リョウが口を押さえて笑っていた。

「軽くイヤミかと思ったけど、違うんだね」

「えっ?」

「いや、タバコでイヤガラセされたから、仕返しにタバコを返したのかと」

「え!?うそ、そんな風に取れる!?」

「うーん。俺の思い過ごしかな」

「どうしよう。他の物にしとけばよかったかな。...取りに行って...」

「いいよ。高崎さんの気持ちなんでしょ。伝わるといいね」

そう言ってにっこり笑う。

謝るなら、今しかない。

「ごめんね。その、土曜日、うるさくして」

その、そんなに千夏が張り切るとは...ちょっと思ってたけど。
そーしてでもって、思ってしまった。

「いえ、俺もごめんなさい。朝、あんなにキレる必要なかった」

「ううん。言ってくれなかったら、あのタバコのこともイヤガラセだってわからなかったし。そんなにその...聞こえたってことも」

「あ、いや。俺も初めて知ったし...」

嫌な沈黙が漂う。

「...じゃ、これで」

そう言って、稜は自分の部屋へ帰る。
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