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第69章 どたばた
慌てて否定してみるも、お見通しらしい。

顔を覗き込む羚汰に、悔しいが小さく頷く。

「やっぱりね〜」

「ね、恥ずかしいから。行こ」

満足気な羚汰の手を取って歩き出す。

もう本当に勘弁して欲しい。

歩きながら、ゆでダコぐらい赤くなっているだろうほっぺたを、空いている手で隠してみる。
案の定、そこは熱いぐらい暖かかった。

「あーあ。惜しかったなー。イッコ後の電車に乗れば一緒に帰れたのに」

「今朝一緒に行ったじゃん」

今朝は、早く行くという羚汰と一緒に家を出て同じ電車に乗った。

「そうだけどー。滅多にないからさ」

月曜日がバイト先の定休日とはいえ、羚汰がこの時間の電車で帰るのが珍しい。
稜は、月曜日はどうしても定時よりは遅くなるからだ。

「何してたの?」

「あー。ちょっと、教授に相談」

進路のことだろうか、羚汰が照れたように言葉を濁す。

「そうだ。稜、お休みどうだった?」

旅行に向けて、どれだけ有給が取れるか相談してみると言っていたのだ。

キラキラと目を輝かせている羚汰に、言いにくいが仕方ない。

「...それがね。連続しては3日が限度だって言われたの」

「え!短っ!」

羚汰も驚いている。
社長に言われた9月はー、の話をすると納得したようだ。

「だから。土日を入れて、5日間かな」

「5日かー。まぁ、なんとか行けるんじゃね?」

「ほんと?よかった」

有給申請は、他の事務員との兼ね合いもあるので、出してみても通るかどうかはまだわからない。
羚汰のほうも、細かな日程がもう少し先でないとわからないらしい。
出来れば、帰りの飛行機を同じのにしたいところだ。

「ま、なんとかなるっしょー」

羚汰が楽しそうに笑うので、稜も楽しくなってくる。


そのまま歩いてスーパーに向かい、仲良く買い物をして部屋に帰った。

2人で並んでキッチンに入る。

スーパーで見かけた、本格的なキーマカレーのキットを使ってのカレーだ。

羚汰は、キーマカレーのあった棚の隣にあった“フライパンで作れる手作りナンの素”でナンを焼いた。

そうやって出来た本格的なカレーは、思いの外美味しくて褒めあって笑いあってあっという間に完食した。

洗い物をして、流石にこの日は順番にお風呂に入って、布団に入る。

「なんか、稜からスパイスの匂いがする〜」
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