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NEXT 【完結】
第69章 どたばた
「エコーの写真見たよ」

母親経由で、赤ちゃんの3Dエコー写真が送られてきた。

「あー、あれな。顔隠してるだろ。最近ずっとあのポーズでさ」

赤ちゃんは、ちょうど顔の前で腕をバッテンさせていて、あまり顔が見えない。
輪切りのように撮ったエコーもあるが、それではイマイチ顔の様子がわからないらしい。

「いいじゃん。出てくるまでのお楽しみだね〜」

稜も姪っ子となる赤ちゃんの誕生が楽しみだ。
最近は、買い物に行くたびに、ベビーコーナーが目に付くようになった。

「お祝い、何がいいか考えといてね」

「ああ。ありがとう」

照れたように礼を言う弟が、なんだか不思議だ。


「...で?本題は?」

空人にはお見通しらしい。

メールやLINEなどで、たまーに連絡する姉が、ワザワザ電話してきたのだ。
当然かもしれない。

稜は、羚汰と同棲すると伝えた。
以前に伝えた情報は違っていたことも。

今も同棲しているのだが。そこは説明不要だろう。

そして、荷物を整理するにあたり、両親に伝えようとしているとも。

「いいんじゃね?」

一方的に稜がしゃべりまくって、それまで黙って聞いていた空人の第一声がそれだった。

「え?」

「バツイチじゃないんだろ?学生って言っても、もう一年もすれば卒業するんだし」

前回あんなに反対していたのに、一転してこの賛成はビックリだ。

「結婚前に同棲すんのは、いいと思う」

聞くと、どうやら空人も結婚前の2年程ほぼ同棲だったらしい。

「それって」

「そう。まだ学生だったねー」

実家から大学に通っていた彼女だったので、空人の部屋に通っているうちに自然とそうなったらしい。

付き合って間もないうちに、彼女の両親には会っていて。
「空人くんならー」と、気に入られていたようだ。

「そうだったんだ...」

空人にも反対されると構えていた稜は、なんだか拍子抜けだ。

「ほら、俺って自分で言うのもなんだけどさー。人当たりいいから〜」

そうなのだ。
末っ子気質なのか、はたまた性格なのか。
空人は、人の懐にすっと入っていく。
不器用な稜とは違い、小さい頃から世渡りが上手い。

「母さんたちにいつ言うの?俺も行こうか」

小さな頃の事を思い出して沈んでいた稜に、神の声が聞こえてきた。

「本当?助かる!」

「うん。まだ産まれそうにないしね」
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