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第69章 どたばた
父親は、パッと見いつも通りに寡黙で。
慣れた道を普通に運転してくれている。

その横顔をチラリと見ながら、稜は何を言えばいいのか、、さっきとは違った意味で悩んだいた。

今日はもういっぱい考えて疲れた。
後回しがよくないのはわかっていたが、今日はもう十分に思えて黙っていることにした。

駅に着いて、いつも通りにお礼を言ってドアから出ようとする。

「待ちなさい」

稜は静かにドアを閉めて、助手席に座り直した。

「いつ挨拶に来てもらうか、その彼に決めてもらいなさい。うちはいつでもいいから」

「...うん」

こんな風に真面目な話をするのは久しぶりだ。
こころなしか、父親も緊張しているようにも見えた。

「少し前から、お前の様子が違っているのには気づいていた。もちろん、母さんも」

イキナリの告白に耳を疑う。

「えっ」

少し前って、いつから?
違っているってどんな風に?

「いい意味でな。だから、自信を持ちなさい」

相変わらず前を向いたままだったが、父親が少し笑った気がした。

稜も前を向いたまま頷く。

「わかった。連絡するね。ありがと」

そう口早に言って車を降りた。


なんだか今日はものすごーーーく疲れた。

電車に乗って、真っ暗な外をぼーっと眺める。

あんなに空人が、一緒になって話をしてくれるというから安心していたのに。
散々振り回された挙句、途中で帰っちゃって。

時間的にもう遅いから、理子さんも迎えに行って、家にも着いて眠っている頃だろうか。
LINEで文句を言っておく。

恋人が居る、と言うのが精一杯で、同棲のことは言えなかった。
次少し間を開けて、言うとして。
きっと次言う頃は、赤ちゃんが生まれているだろうから、空人の応援は無理だろう。

ふてくされた顔のスタンプも送っておく。

一通り送って少しすっきりした。


羚汰にも、今電車で帰っていると連絡をする。

大きな駅で乗り換えていると、羚汰の声がした気がした。

「りょーう!」

羚汰が走ってやってきて、手をつないで一緒に電車に乗り込む。

「間に合った!」

思わぬところで会うので、ビックリする。

「連絡くれてたから。この電車かなと思って、急いでみた」

言葉通り、羚汰の額には汗がにじんでいる。
かなり息も上がっているし、お店から走ってきたのは明らかだ。

「大丈夫?」
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