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第69章 どたばた
マンションに着いても、部屋まで戻ってきても、稜は今日あった出来事をしゃべり続けた。

後半の出来事は少し言いにくいのもあって、ソファに座ってからやっと最後まで話すことが出来た。

「うん。そうなると思ってたし。予定があえばいつでも」

羚汰がまた頭を撫でてくれる。

そのぬくもりに、稜はやっと大きく息を吐き出した。

「どうした?疲れた?」

「疲れた...」

稜は自分から羚汰に抱きついた。

「うおっ」

イキナリ抱きついて驚いたようだが、それでも頭をなで続けてくれる。
さりげなく深く呼吸を繰り返す。
羚汰の匂いが落ち着く。

「...匂い嗅いでる?」

羚汰が気づいたらしい。
鼻息がくすぐったいのだろうか、くすくす笑っているようだ。

「嗅いでない」

「嗅いでるでしょー」

とぼけてみるも、脇腹をくすぐられてすぐ観念する。

「あはは。降参〜。嗅いでました。だっていい匂いなんだもん」

また抱きついて、今度は堂々と嗅ぐ。

「えー。今日は忙しかったし、駅のとこで走ったし。汗くさくね?」

「うん。それがいい」

「うわっ。変態〜」

そう言いながらも、羚汰の腕がぎゅうっと抱きしめ返す。

ひとしきり2人で笑いあって、また稜がため息をつく。

「大丈夫?」

「うん...。同棲のことは言えなかったから」

腕の力が少し緩んで、顔が覗き込まれる。

「今度言えばいいじゃん」

そうなんだが。それが特に言いにくいのだ。

「心配性だなぁ。稜は」

「だってー」

「大丈夫だよ」

また頭を撫でている。
その手が降りてきて、頬を指先でなでる。

「大丈夫だから、笑って?」

羚汰が笑うとどうしてもつられて緩んでしまう。

「大丈夫って?」

「うん。どーにかなる!」

「えー!?」

何もアイディアがないとは思わなかった。

この自信は一体どこからやってくるのか。

でも羚汰が言うと、本当にどうにかなる気がしてくるから不思議だ。



数日後、羚汰の予言通り、本当に大丈夫になる。


GW後半戦に入ってすぐ、母親から電話があって。

まだまだ産まれそうにないといっていた、理子さんが産気づき、病院に運ばれたと連絡があった。

翌日には無事に産まれて、GW最終日に両親と一緒に赤ちゃんに会いに行くことになった。
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