この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第70章 実家
羚汰が結局、実家にほど近い旅館を探し出した。

内風呂が付いた部屋がよかったのに!とぶつぶつ言っていたところをみると、一般的な旅館のようだ。
詳しい内容は秘密だとかで教えてくれない。

両親に連絡して、昼間に会うことに決まる。

その日が近づいてきて、少しずつ緊張をはじめていた。



「ただいまー」

稜は、真っ暗な玄関に呟く。

今日は、いつになく忙しかったのだ。
大口の契約をしてくれている企業の、社長が代替わりしたらしく。
契約者の書き換えがあった。
以前からその書類は出来ていたのだが、こちらのミスで新しい社長の名前を漢字変換ミスしていて。
書類に捺印をもらう時に指摘され、事務員総手で大慌てで作り直したのだ。
数時間後新しい書類を再度お持ちして、社長さんは、よく間違われるんだよねー。と、笑って許してくれ事なきを得たが。

こういう時には、お風呂にゆっくりつかりたい。

玄関でストッキングを脱いで洗濯機に放り込み、風呂場に入りお湯を貯める。

汗かいたしすぐお風呂に入ろう。
そう思ってブラウスのボタンを外しながら、リビングに入り電気をつけようと手を伸ばした。

突然、何かが破裂したような音がして、驚いて体がビクッと縮こまる。

「おめでとーーー!」

聞きなれた声がして、それから部屋の明かりがつく。

ソファのところに羚汰がいて、テーブルの上は料理で溢れている。

「...え、羚汰??バイトは?」

状況が把握できずに立ち尽くしてしまう。

だって今日はバイトだったはずた。

「今日は休みだったんだよねー。驚かそうと思ってさ。はい、座って座って」

羚汰がソファの隣をぽんぽんと叩く。

この日は、稜の誕生日だったのだ。

忘れていた訳では無いが、週末に祝ってもらうつもりでいたので、予想していなかった。

「へっへ。久しぶりに腕を奮いました」

机の上には、カラフルな料理が並んでいる。
サラダやピザといった定番のものから、一見稜には何かわからないようなものまで。
お金はかかってなさそうだが、手間はかかっていそうだ。

「稜がお金かけるなとかいうからさー」

イタリア旅行を控えているのだから、私の誕生日は豪華にしないでね。
ご馳走もプレゼントもいらないから!
その代わり、イタリアでいっぱい美味しいものを食べよう。

何日も前から、稜が何度も口にしたセリフだ。
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ