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NEXT 【完結】
第70章 実家
両親の質問に爽やかな笑顔と共に答えていく羚汰を見て、つくづく惚れ直す。

緊張という言葉を知らないのだろうか。
堂々としているわけではなく、するりと懐に入ってきているような。

稜が見つめていたその視線に気づいたのか、羚汰が顔を向けてにっこり微笑む。

さっき言われた言葉を思い出して、稜もにっこり微笑み返す。
思ったより空気が和やかで、何より安心したからかもしれない。
自然に笑顔が増えて、羚汰の横で落ち着いていられた。

両親は学生だと聞いていたからか、落ち着いてスマートに何でも答える羚汰の姿に驚いているようだ。

話の途中に、玄関のチャイムの音がする。

「あ、来たわ。ちょっと、稜も手伝って。...はーい!」

母親がバタバタと慌てて玄関に行く。
不審に思いながら後を追い掛けると、寿司桶を受け取る母親がいた。

そこそこ大きな桶が2つもあって。

「最近このお寿司屋さんが出来てね。結構美味しいわよ」

デリバリー専門のチェーン店が、この田舎町にも出来たらしい。
稜はどこかで看板を見たことがあっても食べたことはなかった。

それより今日はてっきり母親が作るものだと思っていたので、お寿司を取るのが驚きだ。

「え、お寿司?しかも、ちょっと量多くない?」

「いいのいいの」

リビングの横にあるダイニングテーブルに運ぶ。
ラップを取ると、やっぱり量が多い気がする。

母親が箸や小皿、コップを用意し出して、すべての数が5つなことに気づく。

「え?5つ?」

「あら。もうお昼だし。もう着くでしょ。空人」

「ええっ。空人帰ってくるの??」

聞かされていなかったので、驚いて大きな声を出す。
ソファで何やら笑っていた羚汰と父親がその声に一瞬止まってこちらを見て、また笑っている。

まだ子供が産まれて1ヶ月も経ってないし。
今日はそんな挨拶ってなだけでー。
前の時は全く興味無さそうだったのに。

「そうよー。理子さんは来れないの、すっごく悔しがってたわよ」

お見合いの時といい、確かに理子さんはそういうのが好きそうだ。

「ちょっと今どの辺なのか、電話してみて」

お吸い物を温めている母親にそう言われて、稜が電話をする。

「もうすぐだけど先に始めててー、だってよ」

そう伝えながら電話を切ると、いつの間にか父親もやってきて、ビールを用意している。
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