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第70章 実家
台所を見ると、お吸い物の椀を羚汰が運んでいる。

「えっ。羚汰」

慌てて飛んで行って手を出す。

「おっと。危な!大丈夫だから」

手がぶつかりそうになって、お吸い物がこぼれそうになる。

「あ、え。ごめん」

結局、そのまま羚汰がお椀をテーブルに置いて、手が出せずじまいだ。

「何やってるのー」

後ろからもう2つを持ってやってきた母親が、テーブルでウロウロする稜に邪魔と言わんばかりに声をかける。

「おいで」

自分の実家なのに、羚汰に手を引かれて隣の椅子に座る。
そんな羚汰の笑顔が悔しいやら恥ずかしいやら。

「飲むかね?」
「いただきます」

父親が缶ビールを開け、羚汰のコップに注いでいる。
羚汰も父親のコップに注いでから、稜にも注いでくれる。
母親は飲まないので、お茶を自分で出していた。

軽く乾杯して、食べ始める。

「どんどん食べてねー」
「ご馳走になります」
「寿司でよかったかね?」
「寿司取るとは思わなかったよー」
「羚汰さんは、嫌いなものとかないの?」

羚汰のシイタケ嫌いの話で盛り上がる。
よく考えたら、太巻きには必ず入っている。
案の定、太巻きは苦手らしい。

笑っていると、空人がやってきた。
少し離れた場所に車を止めてきて、そこから走って来たらしく、息が上がっている。

「こんにちは。はじめましてー。弟の空人です」
「はじめまして。斉藤羚汰です。すいません。お先に頂いてます」
「いえいえ。こちらこそ遅れてすいません」

少しヨソユキな弟の態度に、稜がなんだかムズガユイ。
いつもと違ってキレイめなシャツなど着ていてそれもなんだかおかしい。

よく考えると、2人は同い年になるんじゃないだろうか。
いや、学年でいうと、羚汰のが一個上か。

空人がやってきて、落ち着いていたカイがゲージの中でうなり出している。

「カイ〜。俺だよ〜。ほら、今日はホネのオヤツだよ〜」

カバンから何やら、ホネの成分でできたオヤツを取り出す。

「ちょっと、空人、お寿司なくなるわよ」

空人のお吸い物を運んできた母親に言われて飛んで椅子に戻る。

「うわ。ご馳走じゃん」

元々大食漢の空人なのだが、お腹も空いていたのか、瞬く間に寿司が減ってゆく。
大きな桶2つもあるのに、足りなさそうな勢いだ。

「ちょっと、食べすぎ!」

「だってー」
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