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NEXT 【完結】
第71章 宿
「俺が帰る頃を連絡するからだと思うけどさ。いつも稜が玄関で迎えてくれるじゃん。あれ、すげー嬉しい」

バイトが終わって、電車に乗る、マンションのエレベーターに乗った。
などなど、羚汰が逐一LINEで報告してくる。
だから、起きてる時は自然と玄関で待つようになっていた。

羚汰の為というより、羚汰に早く会いたい気持ちがそうさせていた。

「誰もいない家に帰ること、本当に多かったし。人が沢山いても、俺が帰ったの見向きもされなかったし」

イギリスに留学時代は、4〜5人の共同生活で、好き勝手にしていたし。
イタリアで放浪してた時は、アレックスも自由人だったし。
誰かに「おかえり」って迎えられた事はほとんどない。

「部屋帰って、稜に笑顔でおかえりって言われて、ぎゅーーってする時が、一番幸せかも」

幸せそうに羚汰が笑うから、稜もほっこり幸せになってくる。
確かにあのハグは稜も好きだ。
やっと会えた羚汰の匂いに包まれて、その温もりを感じられる。
でも、そんなに羚汰が喜んでいてくれるとはおもわなかった。
これからも、ずっと笑顔で迎えてあげよう!

「...あ、嘘。2番だな」

「え?」

せっかくいい気持ちになっていたのに。
驚いて羚汰の顔を見直していると、にまにまっとなんだか怪しい笑顔をしている。

「一番は、稜のナカにいる時だから」

「...!!」

一瞬、何のことかわからずにいたが、その後すぐ意味することがわかった。
顔が一気に赤く上気したのがわかる。

体が硬直していると、羚汰の顔が近づいてきて唇がチュッと音を立てて重なり、それから抱きしめられる。

「かーわいー」

「もう!」

手で羚汰の胸を押す。
同時に羚汰が立ち上がり、それから稜の手を引っ張って立たせる。

「えっ」

「も、旅館行こ」

すたすたと公園を出てタクシーを拾う。

タクシーの座席に座りながら、真顔の羚汰を伺う。

「どうしたの?もう時間ギリギリ?」

羚汰の顔が耳元に近づいてきて、囁く。

「早くセックスしたいだけ」

「!!ちょっ!」

狭いタクシーの中で、聞こえはしないかと焦ってしまう。

あたふたしている稜にお構い無しに羚汰の手が膝からゆっくりと登り出す。

「羚汰っ」

羚汰の手を両手で阻止しながら小声でひとにらみすると、手はそのまま体だけ座り直した。




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