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第71章 宿
上の蛍光灯は煌々と付いていたが、横を向いているからかお構い無しにぐうぐうと眠っている。
部屋の隅っこに行燈があるので、そのスイッチをつけ、上の電気は紐を引っ張って消した。

手前の和室にある押し入れを開けると、予備の掛け布団が置いてある。

そっと取り出して、羚汰の上に掛ける。

荷物を始末して、稜も羚汰の横の布団に潜り込んだ。

いつもダブルベッドで1つの布団に入っているので、不思議な感覚だ。

手を伸ばして、羚汰の髪の毛をそーっと触る。

少し湿っていて柔らかさの増した髪が顔にかかっていて、それを後ろへよける。

その手首をガバッと掴まれて、稜の心臓が飛び跳ねる。

「ひゃ!!」

「...おそいー」

どうやら起こしてしまったようだ。

羚汰が自分の上にかかった布団を跳ね除けて、稜の布団に入ってくる。

「ごめん。起こしたね」

「待ってたのに、いつの間にか寝ちゃってた。てか、起こしてよ〜」

口を尖らせて、抱きついた稜の胸元に頬ずりしている。

「よく寝てたし、疲れてるのかと思ったから」

「そりゃ疲れたけどさ。でも何のためにこの旅館にしたと思ってんの?」

色っぽい目で見つめられて、そうでなくとも暖かい湯上りの体が熱くなってくる。

「あ、温泉でしょ。露天がすごく良かったもん!」

「良かったね〜。って違うから!」

ワザととぼけてみると、ノリツッコミで返してきた。

「海辺のホテルにしよーかと思ったんだけど。あそこは洋室にベッドで、それに部屋着だってゆーからさ」

あのお見合いをしたホテルも、確かに温泉が付いていて、結構人気だ。
稜はてっきりそこを予約したと思っていたのだ。

「布団がよかったの?」

今度は本気でわからず尋ねると、羚汰の手が動いて稜の足元の浴衣をめくるようにして這い上がってくる。
温泉の成分が肌をなめらかにしていて、するすると肌がこすられる感覚に体が小さくよじれる。

「...っ」

「浴衣の稜が見たかったの」

羚汰の唇が近づいてきて、甘く吐息を吐きながら、すぐ近くでそう囁く。

太ももをつかんだ手が羚汰の体に沿うように持ち上げられたかと思うと、唇が重なる。

「...ん...ふ...」

「...正確には、浴衣で乱れる稜が見たいんだけどね」

耳元にそう囁いて、稜の体にぞくそくとしたものが走る。
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