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第71章 宿

稜がまた体を痙攣させて果てると、羚汰に片腕を引っ張られ、その手をつないで体が少しよじれて起き上がる。

そのまま両方の腕を持ち上げられ、体が弓なりになる。
腰も引っ張られて、背面座位だろう。
体を動かされながらも、羚汰の腰はゆっくりだが動き始めていて稜は体勢を保つのが精一杯だ。

「んぁっ、はぁっ」

急に、お腹のあたりにあった帯が外され開放感が訪れる。
二人の体の間にあった浴衣が引き上げられ、持ち上げていた腕から外される。
ばさりと浴衣が畳の上に放り投げられた。

羚汰も全裸になったのだろう。
肌が触れる感覚が心地よい。

「んっんっんぁっ...んんっ」

首筋や肩のあたりを舐めまわしている羚汰の舌を求めて、顔を近づける。

羚汰の手が顔にかかって唇を開かされると、舌が近づいて触れる。

「...っ、はっ、気持ちい」

そのまま羚汰のキスが顔のあたりから耳元にかけてに落とされる。

「...あ、私もぁっ、きもちいんっ...」

なんとか絞り出した声が羚汰を煽る。

ゆったりと動いていた腰が、大きく動き出し稜の体がまた揺さぶられてゆく。

「んぁああっ、...も、だめぇっ」

小さく飛び跳ねるようにして動いていた稜の体が、大きく何度か跳ねて上体が倒れる。

痙攣に身を任せていると、羚汰の腰が待ち切れず動き出す。

「んぁっ、まぁあっ、あああっ...」

まだだめ。

そう言おうとするも、襲ってくる衝撃に言葉にならない。

太ももや足の付け根を持ち上げられ、またお尻を突き出した所に肌がぶつかる。

持ち上げられたはずのお尻がいつの間にか落とされ、体が布団に一直線にうつ伏せになっている。

その事に気づいたのは、しばらく経ってからだった。

羚汰の体を背中全体で感じ、シーツを握りしめている手に、羚汰の手が重なっている。

「んあっ、すごいっ...くるしっ...」

「稜...。大丈夫？」

羚汰の動きがほんの少し弱まって、髪がなでられる。

「気持ちよすぎて...おかしくなる...」

「はっ。じゃ、もっとしよ」

荒い息の中にも嬉しそうな声がして、その言葉通り動きがより激しくなってゆく。

稜は、手を伸ばした先にあった枕をいつの間にか引き寄せていた。