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第72章 宿の朝
「昨日...あんなに、シタのに...」

そう言いながらも、羚汰の艶めかしく動く指に翻弄され、甘い息を吐いてしまう。

まだ胸を弄られているだけなのに、下半身が疼いてきて足を閉じてしまう。

帯をしていない浴衣が今にも肌蹴て落ちそうで、片手で前を掴んだままだ。

「ホントは一晩中ずーっとスルつもりだったのに...。稜がぐーぐー寝ちゃうんだもん」

拗ねたように頬を膨らませてから、耳たぶを食む。
同時に指が胸の頂を軽く摘ままれて、稜の体が小さく跳ねる。

「んっ...ふぁ...」

「稜...こっち」

導かれるまま顔だけ振り返ると羚汰の光る舌先が見えて、それに舌先を寄せる。
唾液の糸を交わしながら絡ませては離れるのを繰り返し、指先が食い込むように胸を揺らし始めた。

腰に回していた腕が太ももを撫で回し、固く合わされたその間を這い上がって、稜の中心に差し入れられる。

「...はぁうっっ、...やぁっ、んっ」

その指先が少し乱暴に稜の膨れたその場所を撫でてしまい、稜の体が前のめりになる。

「ほら、足開かないと。ちゃんと触ってあげれない」

内ももを掴んで片足が上げられる。

すぐ後ろにあった、背もたれの位置が低く、こちらに背を向けていた1人がけのソファ。
その場所にその片足がかけられる。

「やっ...こんなっ」

広くなった稜の中心で、羚汰の指がワレメの周りを行き交う。
昨夜の行灯どころでない明るい光に晒されて、恥ずかしさでいっぱいになる。

「すごい。ほら、蜜が溢れてる」

「んっ...。や...言わないで」

昨夜の名残か、今のこの短時間でか、稜のそこは大きく口を開けている。

羚汰の指が少し刺激すると、次から次へと蜜液がどんどん溢れて、下ろしているほうの脚を伝って濡れ広がっている。

ゆっくり動く羚汰の指が蜜をまとっていやらしい音を広げている。

「んっ...はぁんっ...」

覗き込むようにしてそれを確認していた羚汰が、ソファにかけた足を今1度持ち上げて屈んだと思うと、稜の前にするりと移動する。

しゃがんだまま見上げるようにして、一帯に滴る蜜を舐めまわし、広がったそこへ舌を差し入れる。

「っ、羚汰っ!?...ああっ」

ソファに片足をかけたままでバランスが悪く、羚汰の頭を抱えるようにしてなんとか耐える。

「も...もう、だめ...」
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