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第72章 宿の朝
ぐぐっと押し広げながらゆっくりと入ってくる感覚に震えながら、ゆっくりと腰を下ろす。

その間も明るい光の中で羚汰と見つめ合ったままなのが、いつもと違って緊張感が増す。

「...んっ、はぁっ、いったぁ」

体重を羚汰に預けると、みっちり満たされているように奥までその存在を感じる。

「はぁ...すげー気持ちいー」

自分の顔を見られるのは恥ずかしいが、羚汰の色を孕んだ瞳と少し上気した顔が見えて、ずっと見つめてしまう。

ふっと笑った顔がとてつもなく愛おしい。

互いの体を抱き寄せ、唇をゆっくりと交わす。

腰を掴んだ羚汰の手がゆっくりと促して、ソファのスプリングも使って自らもゆるゆると体を動かし始める。

「...んっ、...んふ」

昨晩とは違う甘い交わりに、体の奥からじんわりと気持ちよさが広がる。

見つめあっては舌を交わし、互いの顔や肌を撫でては体を引き寄せる。

指と指を絡め、羚汰の唇があの指輪に優しく触れる。
首元で揺れるネックレスにも唇を寄せる。

お返しに羚汰の耳にキスを落とす。
小さく沢山空いているピアス穴が見える。
いつもは沢山ついていて、あまり舐め回せない。
大きく舌を這わせて両耳とも舐めてゆく。

腰も動かしながらなので、時折止まって息を吹きかけるだけになってしまう。
その動作が逆に羚汰を煽ってしまうとも知らずに。

「...はぁ。それ、ヤバイ」

嬉しそうに笑って言った羚汰の言葉通り、ナカで羚汰の存在がまた一段と大きくなったのを感じる。

小さく緩やかだった動きも、大きく力強いものに徐々に変わってゆき。
交わる音も響き始め出した。

「んぁっ...ああんっ」

羚汰の首に捕まって、大きく揺れ動くなかで自分からも動いてゆく。
次第に飛び跳ねるように大きく上下して、二人の呼吸が熱く乱れて荒くなる。

突き上げる力が増す度に稜の嬌声が響いて、その声に呼応するように羚汰の動きがどんどん早く強くなってゆく。

もはやその場所が明るいかどうかは全く関係ないほど、目の前が歪んで光に包まれる。

「ああっ!...来るっ、きちゃううっ」

「はぁっ、...稜っ」

大きく体を反らす稜を抱きしめて、そのナカのうねりになんとか耐える。

稜の体を抱きしめたままソファにもたれると、稜から唇を重ねた。
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