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少年悪魔
第16章 条件
自分と遥斗が過ごした時間を消す。
意味が分からないという目をした繭を、エリーは呆れたように見た。
「ハルに関わった人間全員から、貴女とハルが出会ってから今現在に至るまでの全ての記憶だけを消すの。もちろん貴女からも消すわ。キスしたことも、抱かれたことも、ハルが好きだという気持ちもね」
「どうして…」
どうしてそんな条件が必要なのだろう。
繭の疑問を察したエリーがにやりと口を歪ませた。
「…一番大事な記憶だからよ。貴女には解らないかもしれないけれど、悪魔が何かしらの術をかけるには基本的に代償が必要なの。そして悪魔が人間になる術の代償は、術をかける対象の一番大事な記憶。ハルの場合は貴女との記憶それだった。だから、貴女とハルが過ごした時間を消すのよ」
「……そんな…」
記憶が消える。
仮マーキングのキスも、動物園に行ったことも、学祭の時に遥斗に抱かれたことも、付き合い始めてクラスメイトに冷やかされたことも、遥斗を好きな気持ちも。
繭の中から、遥斗に関わった人達の中から、全て消える。
意味が分からないという目をした繭を、エリーは呆れたように見た。
「ハルに関わった人間全員から、貴女とハルが出会ってから今現在に至るまでの全ての記憶だけを消すの。もちろん貴女からも消すわ。キスしたことも、抱かれたことも、ハルが好きだという気持ちもね」
「どうして…」
どうしてそんな条件が必要なのだろう。
繭の疑問を察したエリーがにやりと口を歪ませた。
「…一番大事な記憶だからよ。貴女には解らないかもしれないけれど、悪魔が何かしらの術をかけるには基本的に代償が必要なの。そして悪魔が人間になる術の代償は、術をかける対象の一番大事な記憶。ハルの場合は貴女との記憶それだった。だから、貴女とハルが過ごした時間を消すのよ」
「……そんな…」
記憶が消える。
仮マーキングのキスも、動物園に行ったことも、学祭の時に遥斗に抱かれたことも、付き合い始めてクラスメイトに冷やかされたことも、遥斗を好きな気持ちも。
繭の中から、遥斗に関わった人達の中から、全て消える。