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少年悪魔
第4章 大っ嫌い
匂いだ。匂いを辿ってきたんだ。
繭が起き上がって教室の入り口を見ると、そこには悪魔がいた。
凶暴そうな目と視線がぶつかる。
(――しまった!)
目が合ったのだと理解した瞬間、逃げろ、逃げろと脳が叫ぶ。
食べられてしまう。
逃げなくちゃ。
でもどこへ?
どこへ逃げればいい?
怖い、怖い、怖い、怖い。
誰か、誰か、誰か、誰か。
(助けて…!)
繭はその場にうずくまり、目を強く瞑った。

「はい、ダメだよー」

ふわりと包み込むような声に繭の恐怖が和らぐ。
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