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少年悪魔
第5章 青年悪魔
背筋に言いようのない感覚を覚えた繭が一歩、また一歩と後退り、礼也が同じ分だけ前進する。
「そんなに逃げなくてもいいんじゃない?」
「…に、逃げてませんっ」
ピタリ、と繭が足を踏み留めると、礼也が笑みを深めた。
「…いい子だね。じゃあイイコト教えてあげるよ」
礼也の唇が繭の顔の真横に来る。


「繭ちゃん、本当はマーキングされてないんだね」


耳元で囁かれた言葉に、繭が目を見開いた。
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