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監禁DAYS
第2章 今すぐ返して
ぽんと投げられた空のペットボトルに美月が目を丸くする。
そして、慣れた手つきで美月を立たせようとした男を化け物でも見る目で睨みつけた。
「ちょっと。私別にボトラーじゃないよ? トイレ行かせてよっ」
「いちいち運ぶの面倒なんだよ」
「一応レディよ?」
「黙ってろ。ただでさえ頭整理できねえのに」
「なにが」
「今の話だ。簡単に信じられるわけないだろ。頭いかれた女とは思ってたが、何で更にそこに面倒な事情抱えなきゃなんないんだよ」
「いった……やめて。こういう時の痛いプレイは好きじゃないんぐっ」
「うるさい」
口を塞いだ手がすぐに離れる。
「だから舐めるな」
「一郎の手美味しいから」
男は心底厭そうに片目を細めたが、美月は飄々とした様子で上目遣いを使ってくる。
それも下着に手を掛けた瞬間豹変する。
何が何でもボトルに用を足す気はないようで、上半身を起こさないように力を込めている。
「銃で脅されながらしたくないだろ」
「銃でつつかれたらすぐ出ちゃうかも」
何を言ってもまともな返事が来ることはないのかもしれない。
男は乱暴にテーブルから銃を持ってきて美月のこめかみに突きつけた。
「さっさとやれ」
「撃てないことは知ってるよ」
「なら耳でもいいか」
すっとマズルを耳朶に移動させる。
「あー……それは嫌かな」
やっと折れるかと思った男に美月が少し高い声で懇願する。
「も……限界だから、お願い」
太股を擦り合わせて。
涙の潤んだ眼で。
昨日誘ってきたときとはまた違う色気に、男は銃を下ろした。
それから壁に繋がってる縄を解いて、ぐいっと美月を引っ張った。
「あうっ」
「明日からは連れて行かないからな」
低く言って、廊下に連れ出す。
後ろ歩きのままの美月は、必死で漏らさないように腰に力を込めトテトテとぎこちなく歩く。
窓から見えた景色は、林と道路のみだった。
どこだろ、ここ。
でもまあ、どうでもいいか。
突き当たりの扉に突き飛ばされ、冷たい便座にぶつかる。
「もうちょっと優しくできないの」
「マゾのお前にはちょうどいいんじゃないのか。見てるからさっさとやれ」
「見るの……?」
「逃げないようにだ。後ろ向いてろって言ったら殺すぞ」
「だって」
便座に座った美月が顔を赤らめる。
「見られたら……興奮しちゃう」
やっぱりいかれてる、男は首を振った。