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朏の断片
第2章 #1
「とりあえずこんなとこじゃなんやし、助手席乗って」
絶句している上田を置いて、片桐は一人先に運転席に乗り込んだ。さすがに無茶ぶりをしてしまった自分を反省したが言ってしまったものは仕方がない。上田の出方を見るしかないと、半ば諦め半分であったが。
意外にも上田は助手席に乗り込んできた。腕を組んでそっぽを向いている。
「……度胸あるねんな」
「確認したいなら勝手にすればいいし!」
勝手に、を都合よく解釈してしまう。好きにやれ、と。
片桐は上田の太ももに視線を落とした。