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朏の断片
第4章 #4
何もしないと言った手前、たぎる感情を必死に抑え込んでただふんわりと抱き締めた。腕の中にすっぽり収まる小さな体はやはり女の子のようだった。すっかり恐怖で縮こまる固い肩を撫でて服の上からキスをすると、潤んだ目で上田が見上げて来た。
「俺のこと恐いん?」
「ちょっとびっくりした、」
びくびくしている涙目に、逆に笑いが込み上げてくる。
「女子高生みたいやな」
「わ、笑うな……!」
手を取って撫でる、ただ手を撫でているそれだけなのに、震える指先が感度の高さを語る。握ったり指を絡ませたり擦ったり、それだけで心拍数はゆっくりと上昇する。
「ん……」
「マサキの手、気持ちええな」
「……触り方がエロい」
「感じとるんやろ?」
握った指先に唇を押し付けてキスをする。色付いた上田の顔がうっとりとそれを見ていた。
「手ぇ小っさいなぁ」
「アンタのがデカ過ぎんの!」