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朏の断片
第4章 #4


大人しく寝ていろと言われ、目を閉じてみたが。その分耳がいつも以上に音を拾う。

自分の家の風呂場でシャワーを浴びている上田を思うと、とても寝る気にはならない。それどころか益々熱は上がる拷問のようだ。


やがてバスタオルをかぶった上田が戻って来たが、濡れ髪というのはどうにもこうにも色っぽくていけない。


「寝てなかったの?」

「寝てたけど寝れんかったんや」


正直に白状すると上田の視線が一点で止まる。


「……熱のせい?」

「マサキのせいやな」


「……さっき言ってたのって本当なの?」

「?」


さっき、が何を意味するかわからない。回らない頭で思い出せる情報は少ない。ボンヤリと考えあぐねていたら、上田が片桐の隣に横たわった。


「夢で見たCカップより色っぽいのは何でなん?」


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