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リベンジ!
第10章 挨拶
「ただいま〜。」

あたしは、隆盛に家まで送ってもらい七時に約束を交わした。

「お帰りなさい。まだ、時間あるわよね。」

母は、部屋を綺麗に片付けた上に、窓ガラスまで拭き上げていた。


「七時に来るよ。こんなに綺麗にしてくれたんだ。ありがとう。あたしも手伝うから、お茶にしよ。」


あたしは、母と向かい合ってコーヒーを飲んだ。


「母さん、…父さんの連絡先、聞いてもいい?」


母は、少し驚いた顔を見せ、飲みかけていたコーヒーカップを静かに置いた。


「お父さんの事、怒ってたんじゃないの?」

「うん…そうだけど。
彼が、父さんにも挨拶したいって言ってくれてて…。
あたしも、父さんにきちんと挨拶したい。
あんな事あったけど…育ててくれた事には感謝したくて。」


母さんの顔を見ると、困惑の表情を浮かべながら微かに笑った。


「お父さん…あんたが大学生の間の養育費は、払ってくれてたのよ。
あんた、お父さんの話したら、毛嫌いして聞いてもくれなかったけど…。
その辺は、感謝してもいいわよね。
まぁ、あんたの気持ちも分かるから無理しなくてもいいわよ。」


父さんが、養育費を…知らなかった。

あたしは父さんの話となると、見るからに不機嫌になっていたからそういう話は避けてたのだろう。


「それに、感謝だなんて…あたしも、お父さんもあんたには淋しい想いばかりさせてしまったから、素直に受け取れないわね。」


母はそういうと、悲しい顔を浮べた。


「そんな事…。」


ないよ…と言う言葉は、口の中に飲み込まれ言葉にならなかった。







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