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第8章 真実の行方

「優花が、避妊に失敗した相手は翔平だよ。
お互い堕すしか無いんだって決めて、俺が相談に乗った。
堕す費用が無くて、俺の子だってことにしてウチの病院で堕胎してもらったんだよ…。

あの時は、優花が泣きじゃくるから抱き締めて落ち着かせてたな…。

お前…それ見てたのか…。」



「嘘…じゃ、なんで教えてくれなかったの？
あたしにだけ、内緒なのよ？」



「そうだな、言うべきだったのかもな…。
優花が、新菜には心配かけたく無いから黙ってろって…見られてたとは思わなかった。

俺も、こんな心を痛めるような事は聞かない方がいいと思ったんだ。受験前の大事な時期だったしな…。

でも、見たなら何故聞かなかったんだ？
俺って、信用ないんだな…。

お前、あれを見て誤解したんだろ？
何も言わずに、あんな言葉だけを残して…。
二度と会わない気だったのか？」



隆盛が怒るのも、もっともだ…。

あたしは、二度と会うつもりが無かった。

大学の進路も人知れず変え、連絡を絶ったのだ。

真実を聞くのが怖かった。

これ以上、傷つきたくなかったから…。