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理想と偽装の向こう側
第10章 信頼と疑惑
「乾杯!」


とりあえず、三人とも生中でジョッキ片手に乾杯をした。


「かぁ~!うっま!」


樋口さんが、駆けつけ一杯空けそうな勢いで飲む。


「仕事の後の一杯、最高です~!」


「元木さん、結構イケる口?」


「弱くもないけど、強くなもないです~」


「なべちゃんザルだよ。ナベなのにね!ししっ!」


ケンケンみたいな笑い方して、ダジャレまで言う樋口さん。


私の周りの女性は、黎子といい、オッサンみたいだなぁ~。


「今日~インタビュー取って来ましたよ!」


そっか…嘉之、今日インタビュー取る日だった…。


今夜はお呼び出しかからなかったから、上手く話せたのかも。


だけど、状況は甘くなかった。


「じゃーん!写真ゲットで~す!」

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