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理想と偽装の向こう側
第10章 信頼と疑惑
「嘉之っ!」


「なにそんな驚いてんの〜俺んとこ来たんだろ?」


笑いながら、オートロックを解除する。


「行こ」


「あ…うん…」


ビックリしたけど、なんてことない感じでホッした。


部屋に入り嘉之がスーパーから買ってきた物を冷蔵庫にいれてる間、手を洗わせてもらう。



「ほい、チューハイでいい?」


そう言って、投げてきた。


「わっ!きゃっ!」


一瞬、慌てたが無事に受け取れた。


「ナイスキャッチ!」


「ありがとう…」


なんかテンション高いな…
理由はさておき、良かった。


「なんかしてたの?」


「別に~簡単なデッサンくらいかな…喉乾いたから買い出し行ったら香織がいるんだもんな」


そんなこと言いながら笑う顔が無邪気で、母性本能かくすぐられる。


…やっぱり、嘉之ママかも!

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