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理想と偽装の向こう側
第5章 トラウマ
カッコつけなくていい。


背伸びしなくていい。


ポジティブじゃなくてもいい。


気持ちに素直で、あればいい。


どうしようもなく黒々とした感情を吐き出して、その度お互い馴れ合をする…。


傷は必ず瘡蓋になる。


急いで瘡蓋を剥がさなくてもいいんだ。
いつか…綺麗に剥がれるのかな…?


それから、一頻り泣いた。
泣き暮れてる間、小田切さんはずっと頭と背中を擦ってくれていた。 


どれくらい時間が経っただろう…。


「ずびばぜん…お店いきまひょう…」


やっと、声を出す事が出来たが、泣き腫らして顔が大変な事になってるに違いない。


「ちょうど、開店したね。はい!香織ん、チーんして」


 小田切さんが、私の鼻にティッシュを近づけた。


「チーんて!」


何か既に、お父さん状態!!

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