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第3章 高校１年・夏休み

今回の展示の目玉は
ゴッホの「自画像」であった。

当然、その絵も観たいけど、何よりモネの
「日傘の女性」が観たかった、ななみ。

展示場の一番奥にその絵はあった。

薄暗い照明の中、浮かび上がる女性と少年。

絵と言うより時も場所も越えて今そこを
散歩しているかのように感じられた。

その絵以外にもコロー、マネ、ルノワール、
クールベ、セザンヌ、ゴーギャン、
ロートレック他、そしてゴッホと印象派の
巨匠たちの力作を堪能した二人であった。

特に絵画には素人であった達也の
興奮ぶりは、ななみをかなり驚かせた。

美術ファンが一人増えた。

こういう展示があったらまた美術館に
来たいと言いだした達也であった。