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第7章 旅行又は逃避行

ゆったりと湯槽に浸かり、不安な気持ちを消そうと頑張るが無駄な努力だった。
ぬるめの湯に浸かるほど自分のしていることが現実逃避に思え、虚しくなってくる。

気分が晴れないままのぼせてきてしまい、仕方なく上がる。
時計を見てかなり長い時間浸かっていたことに気付いた。
浴衣に袖を通し、脱衣所を出る。

「遅ぇし……」
「岡田くんっ!?」

とっくに部屋に戻っていると思っていた岡田が脱衣所の前の長椅子に座っていた。

「岡田くんじゃねぇだろ？　ひ、ろ、と!!　自分で決めたこと忘れんなよ」