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俺だけの女の子。
第9章 馨の兄貴
「こんなところに呼び出すなんていい度胸してんじゃねえか」
ラブホの部屋に入るなり一発俺を殴った後、馨の兄貴は馨をちらりと見た。
「未遂か?」
「いえ。した後です」
もう一発殴られる。
三番目の兄貴だというその人は、ジーンズにパーカーという格好だったけど、どこかチャラさを感じさせた。
今でも現役で遊んでます、みたいな雰囲気だ。
とても町の安全を守る公務員には見えない。
「何で電話した?」
「……え?」
「普通だったら黙ってんだろ。こんなふうに殴られんのわかってて電話するってことは理由があるんじゃねえのか?」
……さすが町を守ってるだけのことはある。
お兄さんはタバコに火をつけるとソファに座り、テーブルの上の灰皿を近くに寄せた。
「責任を取りたいと思っています」
「それで電話したのか。ってことは結婚でもしたいってか?けどお前年齢足りねえだろ」
「馨さんが良ければ待ちます」
「馨が良ければって……おい!てめえ!まさか無理矢理…っ!」
灰皿がひっくり返りそうな勢いでテーブルを叩いた時だった。
一回寝たらなかなか起きない馨だけれど、さすがに気付いたらしい。
むく、っと起き上がり焦点の合わない目で俺とお兄さんを交互に確認する。
ラブホの部屋に入るなり一発俺を殴った後、馨の兄貴は馨をちらりと見た。
「未遂か?」
「いえ。した後です」
もう一発殴られる。
三番目の兄貴だというその人は、ジーンズにパーカーという格好だったけど、どこかチャラさを感じさせた。
今でも現役で遊んでます、みたいな雰囲気だ。
とても町の安全を守る公務員には見えない。
「何で電話した?」
「……え?」
「普通だったら黙ってんだろ。こんなふうに殴られんのわかってて電話するってことは理由があるんじゃねえのか?」
……さすが町を守ってるだけのことはある。
お兄さんはタバコに火をつけるとソファに座り、テーブルの上の灰皿を近くに寄せた。
「責任を取りたいと思っています」
「それで電話したのか。ってことは結婚でもしたいってか?けどお前年齢足りねえだろ」
「馨さんが良ければ待ちます」
「馨が良ければって……おい!てめえ!まさか無理矢理…っ!」
灰皿がひっくり返りそうな勢いでテーブルを叩いた時だった。
一回寝たらなかなか起きない馨だけれど、さすがに気付いたらしい。
むく、っと起き上がり焦点の合わない目で俺とお兄さんを交互に確認する。