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俺だけの女の子。
第9章 馨の兄貴
「海斗兄……?どしたの?」

のんびりした口調と大きな欠伸に海斗兄は脱力していた。
ま、無理もないけど。

「帰んぞ」
「へ?やっ、何でっ、ちょっと待てよっ!航っ!何で海斗兄が…っ!」

無理矢理馨の手を引っ張ってベッドから下ろし、海斗兄は馨のカバンを反対の手で持った。
馨の抵抗なんてものともせず、海斗兄はドアの外へと馨を連れていく。

「家に帰ったら連絡しろ」

ドアを閉める直前に名刺が一枚投げられた。
床に落ちた名刺を拾うと、椎名海斗と書かれていて、その下に携帯番号が書かれている。

馨は俺が海斗兄を呼んだことをどう思っただろうか。
責任を取りたくて呼んだ……とは思ったりしないよな。
馨の頭じゃ不可解すぎてパンクしてるかもしれない。
でも俺はケジメをつけなきゃいけないんだ。
このままじゃ絶対ずるずるやっちゃうし。
そしたらそれこそ責任なんて取らせてはもらえないかもしれない。

俺は名刺を財布に入れるとホテルを出た。

今度は三人にボコられることを覚悟しながら……


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