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俺だけの女の子。
第1章 俺の煩悩との戦い
し、視線が……視線が痛い。
もちろんクラスのみんなの視線も痛いけど、影田のじとりと睨む視線が一番痛い。

「か、馨?それ、放課後俺のうちで話さない?」
「え、なんで?あたしは周りとか気になんないよ?」

……いや、馨が気にしなくても俺が気にするっつうの。
しかも影田の視線がちょー怖いし。

「馨、高橋んち寄って話した方がいいよ」
「あ、麻紀」
「あんたは気になんなくても、高橋は気にするの。でしょ?」

澤田麻紀が俺を見て意味ありげに笑った。
濃いピンクのリップをひいた唇の端が上がる。
言葉にこそしないけど、俺の気持ちは澤田にバレてるらしい。

「いや、まあ……」
「しゃあねえなあ、じゃあ、今日放課後な。忘れんなよ?」

……そんな約束忘れようとしても忘れられないんですけど。

澤田のおかげ?で恋愛に疎い馨が一歩踏み出そうとしてるのは分かったけど、これでホントに馨が意識してくれるかどうかは怪しいもんだ。
馨の男っぽさは筋金入りで、下ネタも俺達と一緒に混ざってるくらいだし。

「はあ……」

ぐさぐさと刺さる影田からの視線を浴びながら、俺は重たいため息を吐いた。


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