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俺だけの女の子。
第1章 俺の煩悩との戦い
そもそも俺が馨を異性として意識しはじめたのは最近だ。
よく二人で映画を観に行くことが多く、観るのは基本アクションものばかりだった俺たちが、その日は何故か動物ものの映画を観ていた。

確か時間が余って仕方なくみたいなそんな感じだったと思う。

俺は涙なんて流すほど感動なんかできず、馨に外に出るかと聞こうとした時だった。
横でぐす、っと鼻をすする音が聞こえて馨を見ると、涙を拭きもせずに画面を見つめている姿があった。

それくらいで?とバカにされるかもしれない。
だけどその横顔があまりにも綺麗で。
やっぱ馨は女なんだな……って何か府に落ちた瞬間だったんだ。

「そういやあさ、」

話しかけられて俺は馨の方に向き直った。
馨は足を広げて座ってはいるものの、もうパンツは見えていない。

いやいやいや。
残念とか思ってないから。
……ほんの、ちょっとしか。

「航はセックスしたことあるか?」
「ぶっ!ごほっ、ごほっ、きゅ、急に何だよ!」
「や、麻紀がさ、あたしもそろそろ女らしくした方がいいとか言いはじめて。でもそんな急に変われないだろ?この口調だってちっちゃい頃からだしさ。だから具体的にどうすりゃいいんだよ、って聞いたらセックスしろって言われて」


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