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俺だけの女の子。
第2章 馨のファーストキスはレモンの味
「で?航はセックスしたことあんの?」

俺のベッドの上で寝そべり、マンガを読みながら、馨が教室でした質問を繰り返す。

そもそも、男の部屋でベッドに寝そべることからしておかしいだろ。
俺を男として全く意識してないか、男がどういう生き物か分かってないかのどっちかだけど、馨は絶対どっちもだろうな……

同じ部屋の中にいるのに遠い目をしながら馨を見つめると、覚悟を決めて口を開いた。

「……あるよ」

馨にとってそれは予想外の答えだったのだろう。
馨は読んでいたマンガを枕の上に落とした。

「だ、誰と!?」
「え、いや、馨の知らない奴だけど……」
「いつ!?」
「あー、去年の夏休み?」
「何で疑問形なんだよ!自分のことだろ!」

いやいやいや。
馨こそ何でそんなに怒ってんだよ。
そんなに俺が童貞じゃないのがショック?

「何だよ……航のくせに」
「うわ、それこそ何だよ。俺のくせにって……童貞じゃなくて悪うございましたね」


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