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第1章 私は貴女のモノ。でも貴女は…

私に躰を預けて下さる……

この状況は世間的にはかなり異常なのだろう。

しかし私が思うのは……

お嬢様のこの信頼にどうしたらお応えすることができるのだろうか？

という事だけだった。


大旦那様とお嬢様と私。その３人の中での立ち位置は

お嬢様が小学校に就学された頃からほとんどかわっていない。

そこにお嬢様と婚姻契約を結んだ旦那様が婿として加わっただけのこと。


新婚旅行から戻り、この家で暮らし始めたお二人。

婿養子に入る以上大旦那様との同居は当然のことだろうが……

結婚後のお屋敷でお嬢様の身の回りの世話をする私が疎ましかったようで、

今までと変わりなく付き従う私に不快感も露わに対峙してこられた。


この家に戻ってこられた初夜から……

事後私はご夫婦のお部屋に呼び出された。

初めての夜、その時の旦那様は呼び出されて入室する私を

もの凄い目で睨み付けてから無言のままお嬢様のベッドから出ていき、

隣の部屋に……

消えた。


それでも大旦那様に咎められることはなかった。

その後もお嬢様が同じことを望まれるのなら……

私が何一つ変わる必要はない。

私にとって旦那様であるこの男の役目は、

お嬢様に優秀な遺伝子を持つお子を孕ませることだけなのだから……