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月の女神君
第1章 僕は女神様?
「うっ……!」

この頃、月に一度だけお腹が痛くなったり、頭が痛くなったりする事があった。
大体始まって三日くらいで痛みはなくなるものの、一週間くらい気だるい感じが続いてしまう。
この症状が何なのかはわからないけど、今僕に起こっている症状は今までの症状以上にきつい痛みで……。

お腹何度も刺されるような痛みが繰り返し繰り返し続いていて、僕の我慢ももう限界だった。

ここで、誰かに助けを求められればいいんだけど、生憎ここは僕の家で、一人暮らしだから助けてくれる家族も居ない。

歯を食いしばって手に力をこめるけれど、痛みは更に強くなり……。


気が付けば、僕はベッドで眠ってた。
確か、学校へ行く途中で……定期的にある痛みを感じて……、それで……。

起き上がって辺りを見渡す。

女の子が喜びそうな白亜の室内に、天蓋付きのベッド。
家具等も白に金色の装飾が施されていて……、とても豪華な部屋だ。

窓の外を見ると、金魚のような美しい生き物が外を飛んでいる。

……ここは、水の中?

そんな疑問を感じた時に、ドアがノックされた。

「はい、どうぞ」

そうして、部屋に入ってきたのはプラチナブロンドの髪に青い宝石のほうな瞳の美しい男の人。
女の子なら喜ぶ所なんだろうけど、生憎僕は男だ。

「女神よ、無事に目覚めていただけて嬉しい限りです」

ふわりと笑う微笑みは、花も恥らうとても美しい微笑み。
優男という言葉がよく似合う。
服装は、黒に銀色の装飾の鎧。
お伽話に出てくる王子様そのまんまだ。

「え、僕が……女神?」
「そんなに謙遜なさらないで下さい、愛しい女神よ」

イケメンは、恭しく膝まついて僕の手の甲にキスをした。
そうして、甘い声で僕に囁く。

「俺は、シェランツィエ=ハイリンヒです。女神よ、御名を聞いてもよろしいでしょうか?」
「名前は、御神 綾斗<Omi Ayato>です。その、俺は女神なんかじゃありません。何を根拠に?」
「ふふっ……、麗しき女神よ。そこまでおっしゃられるのなら、教えてましょう」

そう言われて、僕は手に腰を回されてエスコートされながら歩き始める。
男なのにエスコートされるって、物凄く違和感があるんだけど……、そんな事言っていられない。

「さぁ、付きましたよ」

そう言われて、案内されたのは……宙に浮かぶ湖だ。
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