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隠匿シリーズ☆番外編
第6章 彼の忘れられない人は……?



 アリエッタは愉しんでいなかったわけではない。リンゼイとも随分と打ち解け「アリエッタ」「リンゼイ」と、敬称抜きで呼び合いましょうと彼女から言われ、とても嬉しかった。


 ニーナもそこへ加わり、今度は三人で街にあるブティックへ買い物に行こうと約束するまでに打ち解けた。


 だから愉しくないわけではなかったのだが……。


 ただ酒が進むにつれ、酩酊するアリエッタ以外の全員の思考が鈍り、正しい判断を出来ていないのか、話題が男女の営みやそれに近しいものへと変わったのだ。


 どんな体勢でするのを好むかや、どのような場所で事に及ぶのに憧れるかや……。


 すっかり酔っぱらったリンゼイが、ジョシュアとの馴れ初めを暴露したときには仰天した。


「私……ジョシュアさんを縛って襲っちゃいましたー」


 うふふ……と笑い、恥じらいながら言っていたが、きっと正気を取り戻したとき、暴露したことを覚えていないのでは、とアリエッタは眠る彼女の顔を見て思う。


 そのリンゼイの暴露にジョシュアは掌に顔を埋めており、長躯なのに一回り小さく見えた。


 ニーナやセドリック、そしてレオは大爆笑だった。


 セドリックに至っては呼吸困難に陥りそうなくらいに笑っていたものだ。






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