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秘密の香り
第9章 秘密の夜
「圭吾さんは…何にしますか?」

私はメニューを開いたまま
圭吾さんに向けた

「オムライスにするよ、すごく美味しいんだ」


「じゃあ…私も…オムライスで」


「デザートは?ティラミスあるよ」


「ティラミス?食べたいです…」


ティラミスと聞いて
身体の力が抜けていく


「よかった、やっと笑った…」


圭吾さんは優しい笑みで
そう言いながら

メニューに添えていた
私の手を撫でた…


身体が熱くなる…


そんな風に触れられたら
抱いてもらいたくなる…




店員さんが来て
オムライスとティラミスを頼んだ




オムライスが来るまでの間

このお店での家族のエピソードを聞いた

オーナーが祖父の友人で
家族ぐるみの付き合いがあること

ハワイにいた幼少時代も
日本に来るとこのお店に来るのが
とても楽しみだったこと

微笑ましい話ばかりで
気持ちが温かくなる


そんな大切な場所に
連れて来てくれたことが
とても嬉しかった


オムライスのサラダとスープが運ばれてきて


「いただきます…」と手を合わせた


オムライスがテーブルに置かれると
圭吾さんは子供のような笑顔を見せた



私…

圭吾さんと食事するの…
好きだなぁ…


オムライスは
思わず笑顔になるくらい
美味しい



食後のティラミスも


今までで
いちばん…


いちばん美味しかった。






























































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