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秘密の香り
第11章 秘密の香り
翌朝から

いつもの日常が
再び始まった…



いや

今までとはもう違う




私も敦も
心に秘密を抱えている



何も聞けないまま
何も言えないまま


時間だけが過ぎていく



圭吾さんに会えば
心はときめく


敦を前にすると
あの名刺が浮かび
嫉妬心が疼き出す






今日は圭吾さんと会う日




年内会えるのは
今日が最後になる…



来年は…
圭吾さんとどうなっているんだろう



私はどうしたいの…



定まらない想いに
自分でイライラしてしまう




待ち合わせ場所に行くと
既に圭吾さんは来ていて
飲み物を買ってくれていた


いつもと一緒



「今日は少し遠出してもいいかな…?」


遠出…?


「夕方には戻れるようにするから」


「はい…大丈夫です…」




どこへ行くんだろう…


ラジオから流れる
クリスマスソングに耳を傾け


会話をせず
静かに窓の外を眺めていた




景色はどんどん変わっていき
やがて海が見えてきた



「どこに行くんですか…?」



「秘密…」


そう微笑んだ圭吾さんの顔に
ドキッとした…。





































































































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