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秘密の香り
第12章 秘密の痛み
12月


年末…

敦の実家へ行く準備をしていたとき
携帯が鳴り響いた

着信を見ると
敦の母親からだった


「もしもし…」

『桃香ちゃん…いま敦はいるかしら?携帯にかけてもでなくて…』

「はい…すみません。まだ寝ていて…すぐ掛け直しますね」


そう言って携帯を切った



寝室へ行き敦を起こし
電話をかけるよう伝えた



私はリビングに戻り
用意していた洋服をバックへ詰めた


リビングに現れた敦は
険しい表情をしている…


「何だって?」


何かあったのだろうか…


「最悪…」

「え…?」

「しばらく…母さんこっち来るって」

「こっちって…うち?」

「うん…」

「じゃあ今日は…?私たち行かないの?」

「いや…迎えに行こう…」

「何があったの…?」


敦はため息をつき黙ってしまった…


「言えないこと…?」


「まぁ…あんまり…」


「そう…」


私はキッチンに行き
お茶を淹れた


「飲まない?温かいお茶…」


「ありがと…」


敦は暗い表情でお茶を啜った…。














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