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秘密の香り
第12章 秘密の痛み
名前を呼ばれ窓の外に向けていた視線を
敦へと向ける



「なんか、急にごめん…母さん来ることになって…しばらく桃香には迷惑かけると思う…」



「ほんと、ごめんな…」



「ううん…」



「なんかさ…父さんが浮気しているらしい…」



「え…」



「だから、しばらく距離置くっていうか…」



「分かった…」



私はまた視線を窓の外に向けた




浮気か…




大切な人を傷つける行為…




でも


そう分かっていながら


惹かれ合い


愛し合ってしまう…



そして


どんな痛みが伴おうと


簡単にはそれを辞めることができない…








偶然ハワイのあの場所で会わなければ
私と圭吾さんの現在(いま)はなかったのだろうか…





「次のサービスエリア寄ろうか…」


「うん…」



こうやって敦の声で…存在で…
いつも…夫婦という現実に戻り



圭吾さんとの秘密の時間を
私は心の奥に隠し込んでいるのだ…。


























































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