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秘密の香り
第12章 秘密の痛み
気がつくと眠っていて
眼が覚めると隣に敦はいなかった…

時計を見ると10:12

お義母さんが居ることを思い出し
慌てて起き上がり着替えた

リビングへ行くと敦はソファで寛ぎ
お義母さんはキッチンに立っていた…

「すみません、寝坊してしまって…」

「そんな、謝らないで…」

お義母さんは笑顔だった
昨日より表情が柔らかい…良かった
少しは気持ちが落ち着いたのだろう

「勝手にお台所借りてごめんなさいね、ごはん用意するわね」

私はキッチンに入り
自分でごはんとお味噌汁をよそいテーブルに置いた

敦は携帯をいじりながらテレビを見ている

「おはよう、敦はもう食べたの?」

「おはよ、うん食べたよ」

「どうぞ…」

焼き魚にお漬け物
きんぴらごぼうに里芋の煮物とほうれん草のお浸し

どれも 私が夕飯に使おうと思っていた食材だ…

朝からこんなに食べれるかな…

私と敦の朝食は
夕飯の残りのお味噌汁に
メインは卵料理とハムかウインナー
レタスやきゅうり トマトなど簡単なサラダ
それにごはんかトースト
10分もあれば完成してしまう

敦は実家で毎朝お義母さんの朝食を食べていて
結婚してから何も言わないけれど
私の作る朝食に不満はなかったのだろうか…と思った


私が食事しながら携帯をいじる敦に
不満を感じているように…

敦にも言い出せないような
小さな不満があるのかもしれない…。


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