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秘密の香り
第12章 秘密の痛み
「美味しいです…作ってくださってありがとうございます」

「良かった、たくさん食べてね」

食事をしながら
喉の奥に痛みを感じた

やだなぁ…風邪かな…寒気も少しだけする…

何とか食べ終えて
洗面所へ行き体温計で熱を測った

37.5℃

少し熱がある…

コンコン…

「桃香…いい?」

「うん」

洗面所のドアが開いた

「年越しさ、母さんの実家に行く話になって…ダメかな…?」

「ごめんね…調子悪くて…いま熱測ったの…」

体温計を敦に差し出した

「そっか…大丈夫?」

「ちょっと喉が痛くて…どうしよう…お義母さんとふたりで行ってきたら…?私はこんなだし…留守番してるよ」

「いや…ひとりで年越しなんて…」

「大丈夫よ…いつもテレビ何見るかで揉めるじゃない…ひとりの年越しも悪くないかも…それに…お義母さんは実家にみんな集まるだろうし…行きたいんじゃない…」

「だよな…でも…ほんと平気?」

「うん…もし治ったら実家帰るか沙穂と過ごそうかな」

ぎゅーっと抱きしめられた

「じゃあ…今回だけ…いいかな…母さん孝行するよ…ほんとありがとう…」

「母さんに話してくるよ」

「うん…」

洗面所にひとりになり
いけない考えが巡る…

圭吾さんと…年末年始を過ごせないだろうか…。












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