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秘密の香り
第12章 秘密の痛み
大きな湯桶にお湯を入れて持って来てくれた

「熱いかな…」

私は膝上までパジャマをまくり右足をそっと入れた

ちゃぷん…

「大丈夫です…」

左足も入れると
圭吾さんはブランケットを膝にかけてくれた

「ありがとうございます」

「気持ちいい?子供の頃さ…風邪ひいたりしてお風呂入れないときは、親がしてくれて…だからつい…」

恥ずかしそうに話す圭吾さんの横顔が愛しい…

沸かしたお湯を足しながら
20分近く足を温めていると眠気が訪れた

「眠くなった?」

「はい…少し…」

「じゃあ片付けようか…」

片足ずつ丁寧に拭いてくれて
スリッパを履かせてくれた

寝室へ行くと
ベッドのお布団には
布団乾燥機がかけられていた

「ちょっと待ってね」

スイッチを切り片付けると
お布団をめくってくれた

「どうぞ」

「ありがとうございます」

私はベッドに横になった

「お風呂入ってくるから、先に休んでてね」

「すみません…」

「おやすみ…」

「おやすみなさい」

見つめ合い微笑みあった

寝室の電気が暗くなり
ベッドの横に置いたバックから
携帯を取り出し敦からの返信を確認した

おやすみ、の返信メール…

胸が痛んだが
圭吾さんを想うと
その痛みはすぐに薄れた…。


























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